はじめに 記事をお届けするに当たり、この度の九州豪雨と山形沖の地震災害、並びに近年の北海道・関西地方、並びに中国四国・九州地方他、多くの大雨・地震災害で未だ行方不明、並びに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
「第4回ジビエ料理コンテスト」の募集について
農林水産省は、ジビエの普及啓発や調査実証等に取り組む「鳥獣利活用推進支援事業」の一環として、8月31日(土曜日)を締め切り日として「第4回ジビエ料理コンテスト」レシピの募集を開始しました。
趣旨
農村地域で深刻な被害をもたらす有害鳥獣の捕獲数が増加傾向にある中で、これを地域資源としてとらえ、野生鳥獣肉(ジビエ)として有効に活用する前向きな取組が広がっています。
このような状況の中で、農林水産省では、平成28年度からジビエの普及啓発や調査実証等に取り組む「鳥獣利活用推進支援事業」において、ジビエの全国的な需要拡大を推進しています。
本コンテストは、この一環として事業実施主体である「一般社団法人日本ジビエ振興協会」が取り組むもので、選定・表彰された料理レシピを広く紹介・提供することで、消費者等への普及啓発を図り、ジビエの全国的な需要拡大と鳥獣利活用の推進を図るものです。
募集内容及び条件
(1)募集テーマ
国産のイノシシ肉・シカ肉を使用し、多くの人に、安全でおいしく提供できる料理
(2)応募条件
ア.国産のイノシシまたはシカ、もしくはその両方を使用すること。
イ.調理時間は、仕込み開始から盛り付けまで180分以内とすること。
ウ.レシピは、4人前の主食あるいは主菜で、未発表のものとすること。
エ.入賞時には、原則として一定期間、飲食店等で、食品として一般の方に提供すること。もし、一般の方に提供できない場合は、必ずレシピの公開をすること。
(3)対象
ア.プロ・アマ、年齢等不問。
イ.一次審査(レシピ審査)を通過した場合、10月21日(月曜日)エコール辻東京(東京都国立市)で行われる二次審査で、料理作成が可能な者。(旅費は一般社団法人日本ジビエ振興協会より支給します)
応募方法
原則として、コンテスト専用応募シート(電子版)に必要事項を記入し、料理のでき上がり写真(データ)を添付して、一般社団法人日本ジビエ振興協会ホームページ上から送付してください。
電子版での応募が不可能な場合は、応募シート(紙版)に写真添付で同協会事務局に郵送してください。
【応募フォーマット】
一般社団法人日本ジビエ振興協会
応募フォーム
http://www.gibier.or.jp/contest2019/form/
【郵送の宛先】
〒391-0301 長野県茅野市北山5513-142
一般社団法人日本ジビエ振興協会コンテスト係
【応募締切】
令和元年8月31日(土曜日)
表彰内容等
(1)表彰内容
入賞者全12名中上位3名が以下の賞を受賞。
ア.農林水産大臣賞(1点)
イ.農林水産省農村振興局長賞(1点)
ウ.一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事賞(1点)
(2)表彰式(第6回日本ジビエサミット内)
ア.日時:令和元年11月20日(水曜日)
イ.会場:東京ビッグサイト国際会議場(東京都江東区有明3丁目11-1)
(3)その他
第6回日本ジビエサミット内で受賞作品のお披露目試食会を予定。
参考
審査項目および基準
以下の基準に沿って、審査委員会によって審査を行います。
一次審査(レシピ審査)30点満点
1、見栄え(5点)
食べてみたくなるような見た目の魅力やインパクトはあるか
2、独創性(5点)
ジビエ料理としての創意工夫や独自性はあるか
3、汎用性(5点)
他者でも再現したり、アレンジしたりすることが容易な料理(レシピ)であるか
4、栄 養(5点)
組合わせる食材によって、ジビエのもつ栄養成分を引き出す等の工夫はあるか
5、安全性(5点)
ジビエ肉の加熱について、その安全性を担保するための加熱温度、加熱時間、使用する熱源の種類、加熱完了の目安等が明示されているか
6、社会貢献(5点)
ジビエ料理を通して、地産食材を生かす、地元の農家や住民と協力する、鳥獣被害などの地域課題の解決をめざすといった社会貢献の視点はあるか
二次審査(実食審査)20点満点
1、活用性(5点)
ジビエという食材の特長(肉質、風味等)が活かされているか
2、おいしさ(15点)
「もっと食べたい」「もう一度食べたい」と感じさせられるか
第3回ジビエ料理コンテスト上位入賞レシピ紹介
第2回ジビエ料理コンテスト農林大臣賞受賞「鹿ボール」
第3回
農林水産大臣賞
鹿肉のビビンパとスネ肉のスープ 上屋 薫里
・鹿肉のミンチにはスネ肉を使用しました。
・ミンチ肉は十分に火を通すことで加熱不足を回避しています。たんぱく質分解酵素を含むまいたけを加え、固くなるのを防ぎました。
・スネ肉をミンチにする際に出るスジや骨も使うことを意識し、スープも作りました。特にスジ肉は煮込むことで旨みや出汁が出るので有効に使用することができます。また、スープをとる際ミンチを加えることで、比較的短時間でも十分に出汁をとることができ、骨の使用がない場合でもスープを作ることが可能です。
・スープをとる際、ミンチ肉にあらかじめ加えている卵白が肉から出たあくを吸着することによって透き通ったスープになります。
・加熱の方法によって流出し、失いがちなカルニチンをスープにすることで補うことができます。
・ミンチ肉を炒める際に出る、あくや水分を拭き取ることで、臭みを取り除くことができます。
・ビビンパの具には、鹿肉に多く含まれる鉄分の吸収をよくする為、ビタミンCを多く含むパプリカを使用しました。
・より多くの人に食べてもらえるよう、『食事』として成り立つ料理にし、食べ応えのあるものにしました。是非飲食店などで提供していただきたいです。
材料・分量(4人分)
材料名 分量
鹿スネ肉 440g
スネ肉を骨から外した際の骨や残骨(※なくても良い) 2~3本程度
まいたけ 1/2株
ほうれん草 1束
豆もやし 1袋
パプリカ 1/2個
卵白 1個分
白ごま(炒りごま) 適量
糸唐辛子 適量
油 大さじ1
酒 大さじ1
精米 2合
水 適量
温泉卵※写真では卵黄(生)を使用 1個
【A】そぼろ
材料名 分量
しょうゆ 大さじ1
砂糖 大さじ1
コチュジャン 大さじ2
にんにくすりおろし 小さじ1/2
しょうがすりおろし 小さじ1/2
【B】ナムル
材料名 分量
ごま油 大さじ3
塩 小さじ1/2
しょうゆ 大さじ1
砂糖 小さじ1/4
【スープ】
材料名 分量
セロリ 10cm
しょうが(半分に切る)
にんにく(たたく)
長ねぎ(1/2本は長いままスープに入れる。入らない場合は鍋に入る大きさに切る。
残り1/2本は小口切りにしてスープに)
1本
乾燥わかめ(水で戻しておく) 適量
塩 適量
こしょう 適量
しょうゆ 適量
作り方
① 米を研ぎ、炊飯器の目盛に合わせた水を入れて炊く。
② フードプロセッサーでスネ肉を粗めのミンチにし、(包丁でたたいて粗みじんにしてもよい)240gと200gに分けておく。
③ まいたけをみじん切りにし、240gのミンチ肉と酒大1を混ぜ合わせておく。
④ 鍋に残りの200gの肉と卵白を入れよく混ぜ合わせておく。
⑤ 熱湯を沸かし(分量外)、骨に回しかけ汚れを落としておく。
⑥ ④に、水1.5Lと、⑤、ねぎ1/2本、しょうが、にんにく、セロリを入れ、火にかけて木べらで底を混ぜる。
⑦ 煮立ってきたら中心に穴をあけ弱火にし、1時間煮込む。
【そぼろ】
⑧ 熱したフライパンに油大1をひき、③を中火で炒める。
⑨ ミンチ肉に火が通ってきたら出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取る。
⑩ 水分が出なくなるまでしっかりと炒め、Aを加える。全体に行きわたったら火を止め、皿に移しておく。
【ナムル】
⑪ ほうれん草は茎に十字に切れ込みを入れ熱湯でさっと茹でた後冷水にとり3cmほどに切る。パプリカは薄くスライスし、熱湯にさっとくぐらせておく。豆もやしは、熱湯で3分程茹でる。
⑫ Bを混ぜ合わせ、3つに分けそれぞれに混ぜ合わせておく。
【スープ】
⑬ 1時間後スープをキッチンペーパーでゆっくり濾し、鍋に入れ火にかける。わかめ、小口に切った長ね
ぎ1/2を入れ、塩、こしょう、しょうゆで適宜味を調える。
【盛り付け】
⑭ 炊きあがったごはんにナムルを3種、その上にそぼろをのせ、白ごまを振りかける。中央にくぼみをつくり温泉卵をのせ、糸唐辛子をのせる。
農林水産省農村振興局局長賞
山の幸 鹿焼売 鹿汁あんかけ 小倉 英隆
鹿の骨汁は美味い!!とネットでも書かれており、それをラーメンにしている地域もあるとの事で自分でも使ってみようと思いました。
出汁を取ってみて実際は、こってり感は無かったので、より鹿肉の旨さを引き出せるように工夫しました。
レストランでも比較的安易に出せるような料理には仕上げたつもりです。
加熱過程については、しっかりと火入れをする料理なので安心して提供できます。
ロース肉がおいしいのは分かりますが、すね肉や、もも肉、骨も加工次第でもっとおいしい料理作れると思います。より需要が増える事を願っております。
飾りのオレンジは絞って召し上がってもらえると、爽やか感が増し、一層おいしく頂けます。
材料・分量(4人分)
材料名 分量
鹿カタ肉
うち、赤身肉使用分 100g
うち、骨使用分 330g
うち、筋使用分 300g
水 4リットル
深葱(青い部分) 25g
深葱(白い部分) 10g
生姜 15g
椎茸 1個あたり15g(8個)
ピーナッツオイル 75g
玉ねぎ 50g
上白糖 4g
食塩 1.5g
紹興酒 6.5ml
濃口醤油(キッコーマン) 5cc
ごま油 2.5g
オイスターソース(李錦記) 2.5g
片栗粉 14g
薄口醤油(宮崎産の早川醤油) 10ml
紹興酒 10ml
上白糖 3g
人参 10g
パセリ 10g
オレンジ 1/2個
水溶き片栗粉 片栗粉3~4g、水8ml
作り方
① 鹿カタ肉を骨、筋、赤身に分ける。
② 骨をサッと熱湯でボイルし、ザルにあけ良く洗う。骨の真ん中をハンマー等で割り髄を出す。
③ 水を鍋に張り、生姜、深葱の青い部分と一緒に②、筋もその鍋に入れ、火を付け沸かす。沸いたら火を弱火にして灰汁を丁寧に取り除く。約1時間煮だして、シノワで濾す。うち、4人分使用量120mlのみ別鍋に取り、残りは真空パック冷凍保存する。
④ 玉ねぎ、深葱の白い部分はそれぞれみじん切りにし、同じボウルに入れ片栗粉をまぶし絡めておく。
⑤ 赤身はミンチにかける。その際、鹿肉が乾燥しないようにピーナッツオイルを鹿肉に混ぜ合わせておく。ボウルにミンチ肉100g、上白糖4g、食塩1.5g、紹興酒6.5ml、キッコーマン5ml、ごま油2.5g、オイスターソース2.5gを入れ良くこねる。赤身ミンチの残りは、真空パック冷凍保存する。
⑥ ⑤の中に、④の玉ねぎ、深葱を入れさらに混ぜ合わせる。
⑦ 椎茸の石づきを切り外し、はけで裏面に片栗粉を付ける。(分量外)その椎茸裏面に練り上げた⑥を山型にこんもり乗せる。それを冷蔵庫で一度休ませておく。
⑧ 人参は細い千切りにする。水にさらして、水気をよく切っておく。
⑨ オレンジは飾り用に薄く半月スライスしておく。
⑩ パセリはみじん切りにする。
⑪ ③の鹿出汁に薄口醤油10ml、紹興酒10ml、上白糖3g、で味付けし水溶き片栗粉でとろみをつける。
⑫ ⑦の椎茸鹿焼売を約90度温度のコンベクションオーブンで10分蒸しあげる。
⑬ 皿に⑨のオレンジを飾り、⑪の焼売を盛り付ける。その上から⑩のあんをかけて、⑧の人参、⑩のパセリをあしらう。
一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事賞
鹿肉のクスクス 木戸 悠輔
チュニジアを旅した時に食べたクスクスを参考に作りました。
ご当地では羊や鶏、魚などで作っていましたが、クミンと相性の良い鹿肉で作ってみたところ、鹿の優しい旨味がしっかりクスクスにしみ込んだ美味しい一皿になりました。
野菜と柔らかく煮込んだことによって、鹿肉がさらに食べやすく 、モリモリ頬張れます、
軽めの赤ワインやビールとご一緒に!
まだまだ日本では浸透していないクスクスですが、調理も簡単なので、トライしていただきたいなあ~と思います。
鹿肉は、掃除して出てきたスジ肉をどんどん加えても良いですが、ある程度はスネの大きめの塊があったほうがいいと思います。
野菜は夏野菜が一番相性がいいですが、例えば冬なら大根、ニンジン、白ネギ、などとうまく旬のものを利用してください。
材料・分量(4人分)
材料名 分量
鹿スネ肉、スジ肉 600g
クミン(ホール) 大さじ1½
コリアンダー(ホール) 大さじ⅓
鷹の爪 1本
ニンニク 3片
オリーヴオイル 適量
タマネギ 1個
トマト水煮缶 400g
鹿肉の煮汁 400ml
塩 適量
ジャガイモ(中) 1個
ナス(中) 4本
オクラ 1本
ズッキーニ 1本
ヒヨコマメ 一つかみ
クスクス 400g
水 適量
ハリッサ(なければタバスコでも) 適量
オリーブオイル 適量
ブラックペッパー 適量
作り方
① ヒヨコマメは一晩水に浸しておく。玉ねぎは1cm角に、ジャガイモ、ナス、オクラ、ズッキーニは一口大にカットし、ニンニクは包丁の背でつぶしておく。
② 圧力鍋に大きめの一口大にカットしたスネ肉とスジ肉と塩ふたつまみを入れ、水をひたひたに注ぎ強火にかける。沸いてくるとアクがどんどん出てくるので火加減を調節しながらエキュメする。
アクが出なくなれば蓋をして、圧がかかってから弱火で45分炊く。
③ シチューを作る。鍋を五徳に引っ掛けるように傾けて、隅にオリーブオイル、ニンニク、クミン、コリアンダー、ちぎって種を抜いた鷹の爪を入れごく弱火で香りを出す。ニンニクが色づき、スパイスから出る泡が少なくなったらタマネギを加えて中火で炒める。タマネギが色づきかけたら、トマトの水煮を手で潰しながら加える。そこに②の煮汁とヒヨコマメ、塩を入れて20分程、ヒヨコマメが少し柔らかくなるまで煮込む。
④ 3の鍋にジャガイモと②の鹿肉を加えジャガイモが柔らかくなってきたら、ズッキーニとオクラを加えしばらく炊き、素揚げしたナスを加え、塩で味を調え少しだけ炊く。
⑤ クスクスに④の煮汁400mlと水300mlを加え中火で炊く。味が薄いようなら塩を足す。木べらで混ぜながら5分程炊き、水分が無くなってきたら蓋をして火を止め蒸らす。クスクス単体で食べたときに少し頼りないぐらいの塩分に仕上げる。
⑥ 皿に⑤のクスクスをよそい、上から④のシチューをかける。お好みでハリッサ(なければタバスコでも)、オリーブオイル、ブラックペッパーを加えて混ぜながら食べる。
注意事項
本コンテストは、農林水産省「鳥獣被害防止総合対策交付金」事業の一環として実施されるものです。
応募者の個人情報の一部や受賞レシピの料理写真等を、本コンテストの運営のために、受賞後もHP等で使用する事があるほか、受賞レシピに関する連絡をする場合があります。
主催者
主催:一般社団法人日本ジビエ振興協会
協力:辻󠄀調理師専門学校・エコール 辻󠄀 東京
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
農林水産省 〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1電話:03-3502-8111(代表)
一般社団法人日本ジビエ振興協会 〒391-0301長野県茅野市北山5513-142
mail:info@gibier.or.jp
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