はじめに 記事をお届けするに当たり、先の北海道における地震災害、関西地方ならびに中国四国・九州地方における大雨・地震災害で未だ行方不明、並びに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
九州・大宰府から富山・高岡を経由して、日本のはじまりの一つと言われている万葉の里「奈良・明日香村」にやってまいりました・・・本号では文化庁の明日香村「重要文化的景観」についてご紹介いたします。
万葉の里「明日香村」古代衣装の娘さんたちの見つめる先には石舞台が・・・
日本の原点「飛鳥」は、万葉集のゆかりの地です。
「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、 梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」
明日香村を望むのどかな風景にきっとあなたも癒される・・・
まさに、奥飛鳥を代表する重要文化的景観の一つです。
文化的景観とは,以下の文化財を指します。
文化的景観とは
地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの(文化財保護法第二条第1項第五号より)
文化的景観は,日々の生活に根ざした身近な景観であるため,日頃その価値にはなかなか気付きにくいものです。文化的景観を保護する制度を設けることによって,その文化的な価値を正しく評価し,地域で護り,次世代へと継承していくことができます。
文化的景観の中でも特に重要なものは,都道府県又は市町村の申出に基づき,「重要文化的景観」として選定されます。
重要文化的景観に選定されたものについては,現状を変更し,あるいはその保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合,文化財保護法により,文化庁長官に届け出ることとされています。ただし,通常の生産活動に係る行為や非常災害に係る応急措置等においては,この限りではありません。
また,文化的景観の保存活用のために行われるさまざまな事業,たとえば調査事業や保存計画策定事業,整備事業,普及・啓発事業に対しては,国からその経費の補助が行われます。
重要文化的景観の選定制度は,平成16年の文化財保護法の一部改正によって始まった,新しい文化財保護の手法です。
飛鳥八釣の里の棚田とあぜの曼殊沙華
奈良県 奈良県高市郡明日香村 重要文化的景観
明日香村の中央部を貫流し大和川へ注ぐ飛鳥川の源流域では、スギ・ヒノキ・サワラが卓越する深い植林地の中に集落・農地が営まれています。奥飛鳥地域の記録は皇極天皇元年(642)に遡ることができ、中世末期には入谷(にゅうだに)・栢森(かやのもり)・稲渕(いなぶち)・畑(はた)の四大字が飛鳥川上流域のムラとして成立したとされています。
飛鳥川の飛び石
飛び石は飛鳥産石英閃緑岩が川中に並んだものです。
「万葉集」
に「明日香川 明日も渡らむ 石橋の 遠き心は 思ほえぬかも」
とあり、
このような石橋が飛鳥時代からあったとされています。
地域ではハギやヤマブキなどいわゆる万葉植物の植生も卓越しており、豊かな生態系が育まれています。飛鳥川沿いに展開する河岸段丘面上や山裾、山の緩斜面上には、小規模な集落が展開。いずれも斜面地に平場を造成するために、飛鳥川の川石や山を切り開いた際に出土した石材を用いた石積みを伴い、集落の中には、急傾斜の茅葺き屋根と緩傾斜の瓦葺き屋根を有した落棟とを組み合わせた大和棟の民家が点在しており、石積みと併せて独特の集落景観を形成しています。
稲淵の里
稲淵の里の地域有数の棚田
地域では主に農業が営まれ、特に稲渕では地域でも有数の広さを誇る棚田が形成されています。棚田には15世紀に遡るとされる井手(いで)によって水が供給されており、最長3.8kmを誇る大井手をはじめ数十本の井手が耕作者によって管理されています。
栢森では川岸に降りるため
の石段が設けられており(写真上の右下)、かつては洗い場として活用がさ
れていた。飛鳥川と生活とが
深く関係していたことを示すものです。
地域では集落から飛鳥川に降りる階段を設えたアライバが現在も機能しており、また盆迎え・盆送りが飛鳥川を通じて行われるなど、飛鳥川と強く結びついた生活が営まれています。
このように、奥飛鳥の文化的景観は、飛鳥川上流域において展開される、地形に即して営まれてきた居住の在り方と、農業を中心とした生業の在り方とを示す価値の高い文化的景観であります。
遠い記憶
以前から撮りためた写真を「ZIPANG-3 TOKIO 2020」編集に活かせないかと少しづつ整理をしておりましたが、歳の所為か小生の記憶が飛んでしまい、この写真が何処で撮影したものか全くわからずにポジフィルムの収納ボックスに放り込んだままでした。
マウントには、1965年秋としか記載がなく諦めておりました。ところが、本号で明日香村をご紹介することになり、資料を収集しておりましたら同じような被写体の写真が目に飛び込んできました。エェ~ひょっとしたらと思い早速調べたところ、飛鳥川に関連した写真だということがわかりビックリ仰天です。
これもひとえに「令和」のご利益なんでしょうか⁉
奈良に住む親戚を50年以上前に訪ねたことがあり(実は親戚があることも忘れていました…)、恐らくその時のものではないかと・・・あれ以来従兄とは一度も会っておらず、生死もわかりませんが、久しぶりに訪ねてみたくなりました。
曼殊沙華の花の咲く頃に訪ねてみようかな・・・
この写真ですが、きっとそうだと信じています。朝、明日香村で聞いてみよう・・・
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
明日香村役場 〒634-0111 奈良県高市郡明日香村大字岡55番地 TEL:0744-54-2001
一般社団法人 飛鳥観光協会
〒634-0138 奈良県高市郡明日香村越6-3飛鳥びとの館
TEL:0744-54-3240
一般財団法人 奈良県ビジターズビューロー
〒630-8361奈良市池之町3 奈良県猿沢イン3階 TEL:0742-23-8288
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