ZIPANG-3 TOKIO 2020 「大分市歴史的風致維持向上計画を認定(大分県大分市編)」

はじめに 記事をお届けするに当たり、先の北海道における地震災害、関西地方ならびに中国四国・九州地方さらに北陸・東北地方における大雨・地震災害で未だ行方不明、並びに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。


歴史的風致維持向上計画の認定について

「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(通称:歴史まちづくり法)」は、地域の歴史的な風情、情緒を活かしたまちづくりを支援すべく平成20年5月に公布され、同年11月に施行されました。

この法律は、我が国固有の歴史的建造物や伝統的な人々の活動からなる歴史的風致について、市町村が作成した歴史的風致維持向上計画を国が認定することで、法律上の特例や各種事業により市町村の歴史まちづくりを支援するものであり、これまで金沢市、高山市等76市町の計画を認定しています。

このたび、愛媛県内子町・大分県大分市の歴史的風致維持向上計画を6月12日に認定し、認定都市数は78市町となります。


柞原八幡宮(ゆすはらはちまんぐう)「日暮しの門」

柞原八幡宮(ゆすはらはちまんぐう)ー大分市内にある「豊後国一の宮」。
平安初期の天長4年(827年)を創建の起源とし、古来より、宇佐神宮の分霊地として国司・武家などから崇敬された由緒ある神社。

安政年間に再建された本殿は見事な八幡造です。
1866年(慶応2)再建の南大門には、古今の聖人や竜、花、鳥などが刻まれ、“日のくれるまで眺めていてもあきない”ということで、別名「日暮しの門」と呼ばれています。門の横には国指定天然記念物の樹齢3000年余りのクスの巨木、他に樹齢約400年のホルトの木もあります。

扇形をした石を踏んで願掛けすると願いが叶うと言い伝えられている「幸運の扇石」が、境内に2ヶ所あります。


【令和元年6月12日】大分市、内子町歴史的風致維持向上計画の認定証を田中政務官が交付


歴史的風致維持向上計画認定証の交付

「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(通称:歴史まちづくり法)」第5条に基づき,愛媛県内子町,大分県大分市の歴史的風致維持向上計画について,6月12日付けで主務大臣(文部科学大臣,農林水産大臣,国土交通大臣)が認定します。当日は,田中国土交通大臣政務官が,主務大臣連名の認定証を市町長に対して直接交付しました。


図 歴史的風致維持向上計画の認定状況


歴史的風致維持向上計画の認定について

「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(通称:歴史まちづくり法)」は、地域の歴史的な風情、情緒を活かしたまちづくりを支援すべく平成20年5月に公布され、同年11月に施行されました。

この法律は、我が国固有の歴史的建造物や伝統的な人々の活動からなる歴史的風致について、市町村が作成した歴史的風致維持向上計画を国が認定することで、法律上の特例や各種事業により市町村の歴史まちづくりを支援するものであり、これまで金沢市、高山市等76市町の計画を認定しています。

このたび、愛媛県内子町・大分県大分市の歴史的風致維持向上計画を6月12日に認定し、認定都市数は78市町となります。



国土交通省歴史的風致維持向上計画に対する主な支援措置 



1.大分市の維持向上すべき歴史的風致

本市は、九州の東端に位置し、速吸(はやすい)の瀬戸に代表される幸豊かな海と周辺部に連なる緑濃い山々に囲まれ、温暖な気候に恵まれたまちです。


古代には、豊後(ぶんご)国府がおかれて政治的な中心地になるとともに、由原八幡宮(明治以降は柞原八幡宮と表記)をはじめ多くの社寺が創建され、中世には大友氏のもとでその本拠地「府内」が都市としての発展を遂げ、「大友氏館跡」など多くの遺跡や文化財が今に遺されています。


一方近世には、府内藩など5つの藩領と幕府領に分かれ、領域ごとに異なった歴史を積み重ねた結果、各地に特色ある伝統文化が育まれることとなりました。このような歴史を反映して、本市には多くの歴史的建造物や地域性豊かな伝統文化に根ざす人々の活動が今も残っており、これらが一体となって本市の歴史的風致を形成しています。



柞原八幡宮(ゆすはらはちまんぐう)仲秋祭・浜の市

柞原八幡宮(ゆすはらはちまんぐう)仲秋祭・浜の市

柞原八幡宮が生石の浜の放生会に神幸する祭事。
昔は大きな市がたったので、この名が残り、藩主の座布団を形どったとされる名物「しきし餅」が売られます。
大分市生石 柞原八幡宮仮宮で開催され、花火大会も行われます。


1.柞原(ゆすはら)八幡宮の祭礼にみる歴史的風致(重点区域)

柞原八幡宮は、本市西部の緑豊かな自然に恵まれた八幡(やはた)地区にあり、豊前の国の宇佐神宮より分霊されたことが社の始まりといわれます。古くから「豊後の国一の宮」として信仰を集め、特に豊後国司や豊後国守護の大友氏、府内(ふない)藩主たちによって手厚く保護されてきたのです。


柞原八幡宮の祭礼は、八幡地区の人々が参加して受け継がれており、それが行われる道や建物が一体となって、歴史的風致を形成しています。



2.大分市の重点区域における事業概要

重点区域は、柞原八幡宮や大友氏遺跡をはじめとする歴史的建造物や史跡などが多くありこれらと密接につながる祭礼や人々の活動が維持されている八幡地区から大分市中心市街地周辺地区にかけての区域としています。


重点地区においては、観光振興や地域の活性化、にぎわいの創出を図るため、重点的かつ一体的な施策を推進。これにより、重点区域に関わる歴史的風致の維持および向上を効果的に推進し、市全域に効果を波及させることで、本市の歴史的風致の維持及び向上を目指しています。

重点区域の名称:柞原八幡宮・新旧府内周辺地区

重点区域面積:約1222ha 


(1)歴史的建造物等の保存・活用に関する事業

 1. 大分城址公園整備・活用事業

大分府内城址・城址公園

廊下橋


県指定・市指定史跡府内城跡である大分城址公園において、「大分城址公園整備・活用基本計画」に基づき修景整備。

2. 大友氏遺跡歴史公園整備事業

歴史文化観光拠点に位置付けられている大友氏遺跡歴史公園の整備を進めるため、大友氏館庭園跡の復元整備、建物や塀などの立体復元整備、遺構の地上表示、学習交流施設の整備を進めています。

3. 重要文化財 柞原八幡宮本殿他4棟保存修理事業

柞原八幡宮本殿(ゆすはらはちまんぐうほんでん)
平安初期の天長4年(827年)を創建の起源とし、古来より、宇佐神宮の分霊地として国司・武家などから崇敬された由緒ある神社。安政年間に再建された本殿は見事な八幡造です。


重要文化財である柞原八幡宮本殿他4棟(西宝殿、東宝殿、八王子社、宝蔵)の保存修理などを行っています。

4. 国史跡「大分元町石仏」保存管理事業

上野丘台地東端の凝灰岩の崖に刻まれた石仏で、岩薬師(いわやくし)とも呼ばれます。
昭和9年(1934)に国指定史跡となり、県南の臼杵石仏と並ぶ大分県を代表する磨崖仏です。


伝説によれば敏達(びだつ)天皇の時代に、百済から来朝した日羅の作と伝えられていますが、具体的な史実を背景にしたものではなく、初期仏教集団の地域的活動によるものと思われます。

木造瓦葺の覆堂の中、露出した溶結凝灰岩の岩肌に薬師如来坐像を中央に、左に多聞天〔たもんてん〕立像をはさんで、その妻子とされる善膩師童子(ぜんにしどうし)と吉祥天像が左右に、右に不動明王をはさんで左右に矜羯羅〔こんがら〕、制吒迦〔せいたか〕の二童子が刻まれています。

薬師如来坐像は高さ約3メートルで、丸彫りに近い厚肉彫りに刻みだされています。

肉髻(にくけい)は高く、地髪部にかけての螺髪(らはつ)は整然として、丸い顔面に弓状の眉、厚いまぶたに切れ長の伏せ目、花弁の形をした小児のような唇、豊頬は優しく美しく、穏やかな童顔は、定朝様の伝統を踏襲しており、近年の研究によれば、11世紀後半の造像で、このころ元町付近は「勝津留畠(かちがづるはた)」と呼ばれ、宇佐神宮領に組み込まれており、同宮の強大な後ろ立てによる造立と考えられています。

堂外の向かって右側には、ほとんど摩滅風化した三尊形式の像が二組残されています。


国の指定史跡大分元町石仏は、平安時代後期に造られた磨崖仏であります。
塩害などにより石仏の風化が進んでいることから、効果的な脱塩方法を検討し、早期に風化を抑止して安定化を図りながら整備状況の公開と情報発信。



(2) 歴史的風致周辺の環境整備に関する事業


5. 道路美装化・修景事業(都市計画道路中島錦町線)


大友氏館正門の前を通る歴史的な道と重なる当該道路(第二南北街路)について、歩道の美装化、樹木の配置など修景整備を行っています。

6. 無電柱化・修景事業(市道府内3号線、市道府内11号線)

当該道路は、新旧府内の祭礼にみる歴史的風致の概ね中心に位置しており、点在する歴史的建造物を結ぶ道路であることから、無電柱化及び修景整備、照明灯設置。

7. 鉄道残存敷における歴史的風致の回遊ルート整備事業

大分駅周辺の中心市街地から大友氏遺跡等へのアクセスルートとして周辺施設と連携を行い、中心市街地の回遊性を促進させることを目的に整備を行っています。


 (3) 歴史的風致の情報発信と認識向上に関する事業

大友氏館庭園跡復元整備イメージ図


8. 大友氏館跡庭園整備見学ツアー

大友氏遺跡歴史公園内(大友氏館跡)に設置している「南蛮 BVNGO(ブンゴ)交流館」を拠点として、整備中である大友氏館跡庭園の見学や大友氏館内のガイドイベントを開催。

9. 大友氏遺跡周辺史跡案内サイン設置

大友氏遺跡及びその周辺の歴史文化資源に関する情報を発信するための看板・案内板等を設置。

10. 大友氏遺跡歴史公園庭園公開イベント

大友氏館跡の庭園整備が完成する時期にあわせて、庭園完成のイベントを実施し、歴史的風致に触れる機会を創出する。

11. 大友氏遺跡情報発信事業

大友氏遺跡の歴史や魅力を市民に広く知っていただくため、歴史講座や体験イベント、パンフレットの作成など、さまざまな情報発信事業を行っています。

12. 大友プロモーション事業
(宗麟公まつり実行委員会交付金)

大友氏遺跡と関連のある「大友宗麟公」を全国に情報発信していくイベントを開催するため、実行委員会の設立及び交付金の支出や宗麟公まつりの企画・運営などを行なっています。 


(4) 伝統行事や伝統文化の継承に関する事業

13. 地域資源活用人材育成事業

歴史を活かしたまちづくりを地域に定着させるため、地域資源の魅力を自ら発信する人材となる遺跡案内ガイドを募集・養成。

14. 柞原八幡宮等祭礼継承基盤整備事業

柞原八幡宮に係る「浜の市」や「賀来の市」などの諸祭礼の構成要素である「供奉太鼓」をはじめとする無形民俗文化財の保存・継承を図るため、それらの保存団体や活動団体などが用具の整備を実施する場合に支援を行っています。



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使



協力(順不同・敬称略)

国土交通省 〒100−8918 東京都千代田区霞が関2-1-3 (代表電話) 03-5253-8111

文部科学省 〒100-8959 東京都千代田区霞が関三丁目2番2号 電話:03-5253-4111(代表)

農林水産省 〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1 電話:03-3502-8111(代表)

一般社団法人 大分市観光協会 〒870-8504 大分市荷揚町2番31号 電話番号097-537-5764 

大分市 〒870-8504 大分市荷揚町2番31号 電話番号:097-534-6111(代表)



※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。


ZIPANG-3 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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