はじめに 記事をお届けするに当たり、この度の九州豪雨と山形沖の地震災害、並びに近年の北海道・関西地方、並びに中国四国・九州地方他、多くの大雨・地震災害で未だ行方不明、並びに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
〜ヤマタノオロチ伝説の里
奥出雲に日本古代を探る〜
日本最古の歴史書「古事記」に残るスサノオノミコトのヤマタノオロチ退治。
この舞台が雲南市をはじめとした斐伊川流域といわれており、現在でも数多くの伝承地が残されています。
前号では奥出雲の原風景の中に残されている重要な伝承地をご紹介いたしました。
更に本号では、引き続き気になる伝承地を幾つかご紹介してまいりたいと思います。
『八塩折の酒を造った釜跡』
釜石
布須神社の麓には「釜石」といわれる神石があり、スサノオノミコトがヤマタノオロチに飲ませたお酒を造らせた釜跡という言い伝えがあります。
そのお酒は「八塩折の酒(やしおおりのさけ)」といいます。
出雲国風土記には「神須佐乃乎命御室令造給所宿給故云御室」と記され、
スサノオノミコトは、大原郡条の御室山(みむろやま)に御室をつくったことが記されています。
もともと「釜石」は、「布須神社」の参道沿いにあり、近くに酒造りに使われていた小さな池もあります。
スサノオ信仰の拠点は、スサノオが自分の名をつけた須佐郷にあったと考えられ、伝承分布からみると、それが大原郡(佐世郷、御室山)や意宇郡安来郷へと伸びていったと推測されます。
この四か所の分布を線で結ぶとほぼ一直線につながるので、「スサノオ・ライン」と呼ばれています。
住所 島根県雲南市木次町寺領
『八塩折の酒を入れた壷』
印瀬の壷神
木次町の八口神社(やくちじんじゃ)の境内にある壷は、スサノオノミコトがオロチ退治の時に「八塩折の酒(やしおりのさけ)」を入れた八つの壷のうちの一つと伝えられ、「印瀬の壺神」様として祀られています。
昔土民がこの壷に触れたところ、俄(にわ)かに天はかきくもり山は鳴動して止まず、八本の弊と八品の供物を献じて神に祈ったところようやく静まったといいます。
【壷神由緒】「壷」口経四寸五分・腹経六寸五分・深さ五寸
神代の昔、須佐之男命が八岐の大蛇を退治なされる時、脚名槌、手名槌の夫婦に「汝等は八塩折の酒を醸り、垣を造り廻らしその垣に八門を作り、門毎に八桟敷を結い、その桟敷毎に酒船を置きて船毎にその八塩折の酒を盛りて待ちてよ」と仰せられた -古事記より-
その時の酒壷の一つを祀ったものです。
昔土民がこの壷に触れたところ、俄に天はかきくもり山は鳴動して止まず、八本の幣と八品の供物を献じて神に祈ったところようやく鎮まったといいます。
村人たちは人の手に触れることを恐れ多くの石で壷をおおい玉垣で囲み、注連縄をめぐらし昔のままの姿で昔のままの場所に安置することにつとめ現在にいたっているものであります。
住所 島根県雲南市木次町西日登1524-1
毎年旧六月晦日の夕刻には氏子全員がにぎやかに参拝し、昔ながらの八本の幣と供物を献じて壷神祭を続けている。昔から「印瀬の壷神さん」として広く知られています。
「御祭神」 須佐之男命 櫛名田姫命
「配祀祭神」 国神社(脚名槌命、手名槌命)八幡宮(誉田別命)
「例大祭」 十月二十七日
交通アクセス
●自動車
高速道路松江道 三刀屋木次IC
距離と所要時間三刀屋木次ICより25分
経路(国道/一般道)国道314号
案内板の有無:有
進入の可否:可
進入路の幅員3m
駐車場の有無:有
『酔ったオロチが枕にした山』
草枕
斐伊川と赤川の合流点に近いところに位置する草枕山は、八塩折の酒(やしおおりのさけ)を飲んだヤマタノオロチが苦しんで枕にして寝た山であるといわれています。
付近を流れる赤川の治水工事のため、残念ながら現在はその全貌はなく、その一部が残されています。
草枕山の説明看板のある「八口神社」は、須佐之男命が矢を放ち、ヤマタノオロチを仕留めた場所と伝えられています。
住所 島根県雲南市加茂町神原
交通アクセス
●自動車
高速道路松江道 三刀屋木次IC
距離と所要時間三刀屋木次ICより15分
経路(国道/一般道)県道197号線沿い
案内板の有無:有
進入の可否:可
進入路の幅員2m
駐車場の有無:無
●電車
主要駅⇒最寄駅JR松江駅⇒JR加茂中駅
所要時間(目安)40分
『オロチに矢を射た地』
八口神社
スサノオノミコトがヤマタノオロチの八つの頭を切られたことにより「八口大明神」といわれるようになったとされています。
また、大蛇が草を枕にうめいていたところを、スサノオノミコトが矢で射られたことから、「矢」の字を用いて「矢口神社」といわれたともされています。
境内に「草枕」の説明看板があります。
住所 島根県雲南市加茂町神原98
『天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)発祥の地』
尾留大明神旧社地
スサノオノミコトは、この地でオロチの尾を開いて「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」を得られたと伝えられています。
熱田神宮 熱田の森の奥深くに三種の神器の一つ「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」が祀られています。
熱田神宮(名古屋市)名古屋市民は親しみを込めて「あったさん」と呼んでいます。
「天叢雲剣」は、またの名を「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」ともいわれ、三種の神器の一つとして熱田神宮(名古屋市)の御神体として祀られています。神代からの不思議な深い縁を感じます・・・
この御立薮(おたてやぶ)(現在は畑地)は須佐之男命(すさのおのみこと)と稲田姫を尾留大明神(おとめだいみょうじん)と称し広く崇拝されていたが、斐伊川の氾濫により、延亨元年(1744)、約200メートル南方のここ大津の兵陵中腹に移転しました。
明治4年に御代(みしろ)神社と改称され、更に大正元年日吉神社地に移転合祀して今の御代(みしろ)神社(南方500メートル)となっています。
住所 島根県雲南市加茂町三代
交通アクセス
●自動車
高速道路松江道 三刀屋木次IC
距離と所要時間三刀屋木次ICより20分
経路(国道/一般道)県道197号線沿い
案内板の有無:有
進入の可否:可
進入路の幅員:2.5m
駐車場の有無:有(三代神社内)
●電車
主要駅⇒最寄駅JR松江駅⇒JR加茂中駅
所要時間(目安)40分
『尾留大明神合祀神社』
御代神社
大蛇の尾を開いて宝剣を得た御立薮は須佐之男命と稲田姫を尾留大明神と称し広く崇拝されていたが、斐伊川の氾濫により、ここ大津の兵陵中腹に移転。
明治4年に御代(みしろ)神社と改称された青。
青幡佐久佐日子命を主祭神とする高麻神社があります。
青幡佐久佐日子命に所以のある「高麻山」が雲南市加茂町にあります。
[主祭神]
素戔嗚尊(すさのおのみこと) 稲田姫命(いなたひめのみこと)
[配祀神]
大山咋命(おおやまくいのみこと)
[境内神社・祭神]
高麻(たかさ)神社 青幡佐久佐日子命(あおはたさくさひこのみこと)
貴布(きふね)禰神社 高龗神(たかおかみのかみ)
稲荷神社 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
荒神社 社日神(しゃにちのかみ)
[本殿]
明神造(みょうじんづくり)
[祭事]
例祭十月二十六日
祈年祭三月
新嘗祭(しんじょうさい)十一月
稲荷神社七月十四日
高麻神社十一月三日
御代神社…地元の人は「みよじんじゃ」と呼んでいます。
本殿裏には立派な古樹があります。 三種の神器の一つ「天叢雲剱」は、これより西方約500mの大津地内にある尾留大明神旧社地あたりが発祥の地になります。
住所 島根県雲南市加茂町三代485
編集後記
最近特に時が過ぎていくのが早く、締切りの時間となりました。まだ途中ですが本日はここまでといたします。ご了承ください。
続きは明日の出来るだけ早い時間帯に投稿いたしますので、引き続きご覧ください。
尚、前号の最後に記事を追加いたしましたので合わせてご覧ください。
西日本を中心に台風の影響が出始めております、今後台風の予想進路にあたる地域の皆様は、くれぐれもご注意ください。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
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