はじめに 記事をお届けするに当たり、この度の九州豪雨と山形沖の地震災害、並びに近年の北海道・関西地方、並びに中国四国・九州地方他、多くの大雨・地震災害で未だ行方不明、並びに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
龍頭が滝
落差40mの雄滝と30mの雌滝からなる龍頭が滝は、中国地方随一の名瀑といわれ、八重滝とともに「日本の滝百選」に選定されています。
激しくしぶきを飛び散らせながら流れ落ちる滝は、まさにうねりをあげて昇天する龍のようです。
雄滝の裏側は『裏見の滝』と呼ばれ、百畳ほどの見事な岩窟があり、滝観音が祀られています。
毎年8月15日に「龍頭が滝まつり」が行われ、滝踊りが披露されます。
八重滝(紅葉滝)
龍頭が滝とともに「日本の滝百選」に認定されている名瀑です。
うっそうと老樹が繁茂する約1.5kmの清流に変化にとんだ8つの滝(下流より猿飛滝、滝尻滝、紅葉滝、河鹿滝、姥滝、姫滝、八塩滝、八汐滝)があり、渓谷美をなしています。
中でも二段になって落下する八汐滝と八塩滝は水量も豊富で、とても見事です。
駐車場から八塩滝まで、遊歩道が整備されており、心地よい渓流のせせらぎを聞きながら、散策を楽しむことができます。
[滝におでかけの際の注意事項]
クマ鈴などの音が出るものを携帯しましょう。
複数でのお出かけをお勧めします。
自然公園の遊歩道は自然のままの道が多くあります。
歩きやすく、滑りにくい靴でお出かけください。
雲南の出雲神楽とは
出雲神楽とは、岩屋戸から天照大神を引っ張り出したひとり 「アメノウズメノミコト」の舞をそのままに受け継ぐ、 出雲地方(島根県東部)に伝わる伝統芸能です。
古事記、日本書紀の「神代」には、 神楽の元となった出雲神話が多数挿入されており、 そこに登場するスサノオ、オロチ、オオクニヌシ、イナタヒメ。
すべて雲南市を流れる斐伊川にまつわる神話です。
雲南市内には現在、15もの神楽社中があり、 出雲神楽は地域の郷土芸能として脈々と受け継がれてきました。
神楽の宿
須我神社のすぐ傍にある『神楽の宿』は、座敷でおこなう神楽を保存・再現するために特別に造られた茅葺屋根の建物です。
「神楽の宿」は出雲神楽をはじめ、地域文化創造のための交流又は継承の拠点として幅広く利用されています。
◎毎年7月には、夜神楽大会が開れ恒例行事として定着しております。
◎古より伝わる「出雲神楽舞い」が茅葺の家で演じられています。神楽を目の前にして、鬼気迫る大迫力の演技に、金縛りにあった心地で楽しむことができます。(要予約・団体のみ)
古来神楽は茅葺屋根の民家で舞われていました。
新設された「神楽の宿」でも同様に、
400年伝えられてきた里神楽『出雲神楽』を、臨場感満点で楽しめるでしょう。
設定期間: 通年
料金: ご相談ください。
定員: 40名
所要時間: 約30分
◎見学ができます。
入館料:一般100円、小・中学生50円
定休日:月曜日
開館時間:9:00-17:00
駐車場:有
◎神楽の宿は多目的に賃貸利用もできます。
詳細・予約等は、管理人に、お問い合わせください。
TEL:0854-43-5502(管理人:錦織)
住所 雲南市大東町須賀
古代鉄歌謡館
出雲神楽の夕べ
開催期間2019/04/13~2020/03/14
時間等
20:00~21:30(2019年4月~11月・2020年3月) 19:00~20:30(2019年12月~2020年2月)
料金
高校生以上500円、小中学生200円、未就学児 無料
概要
毎月第2土曜日開催の定期神楽公演!
※9月は第4土曜日も開催します。
“出雲神楽の夕べ” では、毎月第2土曜日、雲南市大東町の神楽社中による神楽舞を上演します。
神楽でみる神話の名場面をお楽しみください!
お問合わせ:古代鉄歌謡館 TEL 0854-43-6568
古代鉄歌謡館は、神楽などを上演する劇場と、神楽に関する資料等を展示するスペースをもつ文化施設。
ずらりと並ぶ神楽面は圧巻!
展示 ~もの言う仮面とうた歌う仮面~
日本人は、古くから神楽面などさまざまな仮面や化粧を用いることで神々に変身したり、人間性をさらに強調したりして、神ごとの祭りや芸能を現在まで伝えてきました。
古代鉄歌謡館とは
古代鉄歌謡館 ~歌い継がれてきた鉄歌謡~
古代の人々が抱いたさまざまな思いは、文字の発生以前も歌に表現されて口ずさまれ、口づてに歌い継がれてきました。
また、文字の使用以後は、一定の語を句末に用いて声調をととのえた詩の形式をもつ歌謡として、せどうか短歌、施頭歌※、片歌、長歌などの文学として発達しました。
※旋頭歌(せどうか)とは、奈良時代における和歌の一形式。『古事記』『日本書紀』『万葉集』などに作品が見られます。 五七七を2回繰り返した6句からなり、上三句と下三句とで詠み手の立場がことなる歌が多い。頭句(第一句)を再び旋(めぐ)らすことから、旋頭歌と呼ばれる。五七七の片歌を2人で唱和または問答したことから発生したと考えられています。
歌謡には、寮歌、祝歌、労作歌、踊歌、子守歌、童歌などの種類があり、それらは歌われる場の性格、歌の目的、歌い手の性質などの違いによって歌の内容や形にもそれぞれの特長や相違がてきます。
ここでは特に製鉄、加工癖、鉄器の使用など、鉄にかかわる艶謡を対象として古典文学を主として採集し、その代表的なものをひろいあげてあります。
竜蛇神話の民俗誌
~大蛇(おろち)神話の民族誌~
出雲神話・スサノオノミコトの八岐の大蛇退治の本質的な構成部となっている、神や勇士が大蛇を退治して人身御供( ひとみごくう)となっている女性を救って結婚すると言う、いわゆるペルセウスとアンドロメダ型の神話は、中国・揚子江以南から東南アジアにかけての地域をはじめ、西はヨーロッパに至るまで広く分布しています。
また、神話や伝説に大蛇や竜を登場させたり、その体内から鉄剣をとりだすと言うストーリーの主要部分は、水神信仰や製鉄文化と深いかかわりがあると言われています。
祭りにみる水信仰と水の民族学
斐伊川に架かる願い橋
農耕や山林を基調とする生産において、降雨による天然の豊かな水の供給は、その年の作物の成育や豊穣をきめる大きな条件でした。また、出雲地方を流れる斐伊川やその支流である赤川など流域に住む人びとにとっては、雨期から台風の季節にかけて発生する河はんらん川の氾濫は、住民の生命を襲う恐ろしい存在だったのです。
日本の原風景の中で受け継がれて来た伝統文化
山あいの谷間に響くのどかな「はやしこ」、
守り伝えたい「ふるさとの花田植え」
毎年恒例の入間の花田植えが今年も5月に開催されました。
水は、地球に生まれたあらゆる生命の根源であり、また、人間と自然のいとなみを支えているもっとも基本的な物質です。
日本人は古代から水に対して年中行事のなかでさまざまなかたちで畏敬(いけい)の念を表わしています。生命の再生を願う正月の「若水迎え」、みなくち田植えに見られる「水口祭り」や「田の神祭り」※、八大竜王など水神に対する「雨乞い」や「水止め祭り」、わら藁でつくった大蛇を神木に巻き付ける「荒神祭り」など、季節のくらしに見られる水への祈りの民俗は多彩です。
※田の神祭り
ZIPANG TOKIO 2020「飛騨路に春を告げる 下呂の田の神祭り(国指定重要無形民俗文化財)と下呂温泉 美人の湯を堪能!」
参考 名水
ZIPANG-2 TOKIO 2020「天照大神の隠れ家伝説 天の岩戸 恵利原の水穴(志摩市)」
鉄の道文化圏
雲南市大東町が、安来市・奥出雲町の2 市1 町とともに推進する「鉄の道文化圏」形成は、旧自治省(現総務省)のリーディングプロジェクト事業※の指定をうけ、主要テーマとして『地域間交流』を掲げ、2 市1町相互の交流と、訪れる人々など圏域外の交流の双方を目的としています。
※リーディングプロジェクトとは、自治体の地域振興プロジェクトのことです。
かつて、この「鉄の道文化圏」を含む中国山地一帯は「たたら」と呼ばれる伝統的な製鉄法が盛んにおこなわれ、現在でも鉄に関わる文化遺産が各所に残り、地域全体が独特な風土を形成しているところです。
また、合わせて出雲神話のふるさとであり、八岐の大蛇をはじめ神話の多くは、古代の製鉄とも関わりが深いといわれています。
この圏域を形成するそれぞれの地域が、特性を生かしたテーマをもって神話や鉄の歴史文化館を建設し、その保存と公開にあたります。
そして、今後地域の文化を創造する核としての「鉄の道文化圏」の活動が期待されています。
建物のあらまし
建物の外観は「大蛇」をデザインしたもので、
劇場回廊の屋根組「山」
玄関入口の上部にある藍色ガラス「大蛇の頭」
朱色と深緑に色分けした回廊の三角組「大蛇の胴」
三角組の円柱 「大蛇の足」
回廊の床に敷いた小石と、にぷい光を放つ鉛入りタイル「川」
を表現しています。
お問い合わせ:古代鉄歌謡館 TEL 0854-43-6568
住所 〒699-1253 島根県雲南市大東町中湯石84番地
続く・・・
編集後記
本号は当初、後編の予定でしたが、編集途中で後編より先に、神楽をはじめとする地域文化創造のための重要な二つの取り組みについてご紹介しておきたいう思いが高まり、急遽、本号は特別編として扱い、後編につきましては次号といたしましたので、ご了承願います。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
一般社団法人 雲南市観光協会 〒699-1311 雲南市木次町里方26番地1 TEL(0854)42-9770
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