ZIPANG-3 TOKIO 2020 「住宅設計の登竜門。建築界注目の現役学生の木造住宅設計コンテスト公開審査始まる!」

はじめに 記事をお届けするに当たり、このたび関東地域を直撃した、強烈な台風15 号による被害は特に炎天下、長期間の停電復旧の遅れで、亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。


木造建築の粋
旧イタリア大使館別邸(栃木県日光市)。設計はアントニン・レーモンド(チェコ出身)。
フランク・ロイド・ライトの下で旧帝国ホテル設計・施工のために来日。その後、独立して日本において設計事務所開設。吉村順三、前川國男、ジョージ・ナカシマらが彼の事務所で学んだ。日本のモダニズム建築に大きな影響を与えた。


日本の伝統文化を絶やさないために、若い世代に木造住宅の魅力を伝えたい…―地方の工務店が立ち上がり、設計力を競うコンテストが開催される。



建築を学ぶ現役学生が参加する「木の家設計グランプリ」が、2019年 9月21日(土)京都造形芸術大学にて開催される。6回目となる今年は、全国から326組の応募が集まった。 審査にあたるのは、日本の建築界をリードする5名の建築家。学生と建築家とのトークバトルが繰り広げられる。

観衆の前で公明正大に審査される!


開催趣旨

日本の建築文化の素晴らしさを守り、新たな力で持続・発展させていくことの大切さを広く社会に知っていただき、建築を通して未来の日本が豊かで幸せな暮らしを築いていくことを目的として開催いたします。

入賞者を激励する主催者の谷口弘和氏。(株式会社 木の家専門店 谷口工務店)


日本の気候風土に合った「木の家」は、古来より人々の暮らしを支え、先人達の手によって守り伝えられてきました。自然の美しさを住宅に取り入れ、融和・共生する日本人ならではの感性や技術は、世界に誇れる素晴らしい文化です。


しかし、近年家づくりは工業化・効率化が進み、安定した品質で大量生産が可能となった反面、素材を生かす知恵や技術は徐々に失われ、それらを伝えられる職人の数も大幅に減少しています。


このままでは古くから大切に受け継がれてきた日本の建築文化、ものづくりの精神を後世に伝承することが困難な状況です。


将来、日本の建築を支える学生の皆さんに、今なお愛される日本の木造住宅を今一度見つめ直し、その素晴らしさ、おもしろさを感じて頂きたいという思いからこの「木の家設計グランプリ」を企画しました。木の家設計グランプリが、日本の建築文化を守り育てるための第一歩となることを心から願っています。


【建築を志す学生と、日本を代表する建築家との熱いバトル】

「木の家設計グランプリ」は、全国の学生を対象に開催される『木造住宅』限定の設計コンテスト。2014年に始まり、今年で6回目を迎える。第1回目のエントリーは77組だったが、今年は全国から326組の応募があり、年々注目度は高まっている。


【時流にそったテーマで、学生が設計】

その年の審査委員長がテーマを決め、学生がそのテーマに沿った模型や設計プランを作成する。一次審査では会場に作品が並べられ、そこから上位10組を選出。その後の公開最終プレゼンテーションで、金賞、銀賞、銅賞、U20(20才以下の学生)賞、審査員長特別賞、ほか各賞が決定される。


今年の課題テーマは「小さな家。少ない家」。今年の審査委員長は、建築家 堀部 安嗣(ほりべ やすし)氏が務める。


堀部氏は、神奈川県横浜市出身。堀部安嗣建築設計事務所で建築家として活動しながら、京都造形芸術大学大学院教授を務める。2016年には「竹林寺納骨堂」で日本建築学会賞を受賞。常に注目される建築家である。


「昔と比べると、日本の住宅は大きく贅沢になりました。しかし今は、車でもスマートフォンでも、シンプルな形質が好まれるようにもなってきました。“小ささ”  “少なさ” が現代の生活に求められる一方で、豊かさと寛容さを持ち合わせるためにはどうすればいいのか。木造住宅の設計の中で考え、形にしてみて欲しいと思ったのです」。


審査員は他にも、竹原義二氏(無有建築工房 )、松岡拓公雄氏(アーキテクトシップ)、横内敏人氏(横内敏人建築設計事務所)、堀 啓二氏(株式会社 山本堀アーキテクツ)と建築業界では木造建築を推奨していることで知られている。学生に木造住宅の魅力を知ってもらい、日本の住環境をより良くしたいという思いで集まった。


  『観覧者の目の前で審査が行われる、臨場感あふれるコンテスト』

一次審査では、学生が自分の作品の前に立ち審査員を待つ。審査員は会場をくまなく回り、学生と直接対話のなか審査が行われる。憧れの建築家に自分の作品を見てもらえるとあり、毎年力作が並ぶ。


最終プレゼンテーションは、一組につき持ち時間5分。その際の審査員と学生とのやりとりが毎年見ものだ。学生と審査員が互いにヒートアップする場面もあり、会場を沸かせる。観覧は学生のほか、建築関係者以外に一般観覧者も訪れる。


通常のコンテストでは、審査は非公開で行われるが、当コンペは目の前で審査が進むのが大きな特徴。自分の作品へ票が入ったり抜かれたりするのを、学生は固唾をのんで見守る。
どのような理由でどの作品が選ばれたのか、ダイレクトに見聞きできることが、参加した学生にとっては大きなメリットとも言えるだろう。


昨年の大会で最優秀賞に選ばれたのは、千々松海図さん(当時 信州大学大学院)竹島大地さん(当時 神奈川大学大学院)のペアチーム。「やぎと暮らす家」という作品で、町の庭と立体的な庭、動植物の性質に寄り添う建築の提案が評価された。「人にものを伝える難しさ、プレゼンの大切さ、人と対話することで思いもしなかった新たな案を発見できました」と喜びを語った。


『主催は地方の工務店。元大手ハウスメーカーの大工社長が一念発起』

この大会を主催するのは、滋賀県の「株式会社 木の家専門店 谷口工務店」。人口12,000人ほどの町で、木造注文住宅の設計施工を行う。近年では関東や九州地方からも問い合わせが入るという注目の工務店。代表を務める谷口弘和(たにぐち ひろかず)氏は、大手ハウスメーカーの大工を辞めて22才で起業した。現在47才。


「当社は16年前から新卒採用を続けてきましたが、学生は、量産型のハウスメーカーや大手ゼネコンへの就職を希望する人が多い。また、学生が木造住宅について学ぶ機会が殆どない現実を知りました。日本は木造住宅が半数以上を占めているのにもかかわらずです」を危機感を募らせる。 


「住宅は、その土地の気候風土に応じてつくるのが一番理にかなっている。それを実現できるのは、間違いなく地域工務店が優れています。日本の木造住宅を絶やさず未来へ引き継ぐため、木造住宅について理解を広め、若い人材が地域で活躍できる社会をつくたい思いからこの大会を始めました」と語る。


谷口弘和氏の想いに共感した工務店や建築企業30社が協賛を申し出た。協賛費用は運営のほか、遠方から来る学生の交通費にも充てられる。


『建築家と学生、参加者同士の交流を深める』

グランプリ終了後は、審査員や協賛会社、観覧者も交えた食事会が開かれる。普段出会うことのできない建築家や、他校の学生と食事をしながら、建築や将来の話で盛り上がる。


「就職先をどう選ぶのかを建築家の先生に相談できた。自分の学生時代の話を気さくにしてくれた」「工務店のイメージが全く違うものになった。将来の選択肢として前向きに考えたい」と学生たちは話す。


現在就職活動においては「早期化」「インターン」が主流になりつつある。大手志向で人員獲得に頭を悩ませる地方企業も多い。学生も多様な就職活動の場面に戸惑いの声も上がっている。学生がこうした機会を通じて企業と接点を持つことで、将来の選択肢に幅ができることはもちろん、地方で働く可能性を知る良い機会にもなるだろう。


「昔、大工は町を守る陰の立役者でした。そして家をつくる仕事は、住む人の命を守る仕事だと言っていい。学生を育て、日本の誇るべき木造建築を守っていくきっかけにしたい」と谷口氏。


日時: 2019年9月21日(土)9時30分~19時

場所: 京都造形芸術大学 ギャルリ・オーヴ(京都市左京区北白川瓜生山2-116)


主催者

【社名】株式会社 木の家専門店 谷口工務店

【所在地】滋賀県蒲生郡竜王町山之上3409

【連絡先】0748-43-1128


「木の家設計グランプリ」6回目となる今年は、全国から326組もの応募が集まったとか・・・
模型を展示する作業だけでも大変なこと、いったい今年はどんなプレゼンテーションが繰り広げられるのか注目してみたい。



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使



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ZIPANG-3 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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