はじめに 記事をお届けするに当たり、このたび関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号による被害は特に大雨による水害で亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
近現代における行幸・行幸啓の歴史を通じて、皇室と国民の関わりを知る
国立公文書館では、天皇陛下の御即位を記念し、11月10日(日)まで、特別展「行幸―近現代の皇室と国民―」を開催しています。
「行幸啓」魚放流のご様子(射水市にて)
「行幸(ぎょうこう)」とは天皇が外出されること、「行幸啓(ぎょうこうけい)」とは天皇・皇后がご一緒に外出されること。9月には全国豊かな海づくり大会、国民文化祭、国民体育大会へのご臨席と、3回の地方行幸啓が行われたことから、ニュース等で「行幸啓」という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。
今回の展示は、当館や関係機関の所蔵資料をもとに、明治以降の行幸・行幸啓の歴史を描いています。
10月22日の「即位礼正殿の儀」、11月10日の祝賀パレード「祝賀御列の儀」を控える今秋、貴重な資料約60点を通じて皇室と国民の関わりについて理解を深めてみませんか?
【展示会】
会期
令和元年10月5日(土)〜11月10日(日)
開館時間
月〜水・土・日曜日・祝日 午前9時45分〜午後5時30分
木・金曜日 午前9時45分〜午後8時00分
※各日とも入場は閉館30分前まで
※入場は、それぞれ閉館30分前まで(特別展は、期間中無休)
会場
国立公文書館 本館
入場料
無料
※会場において展示図録を800円(消費税込み)で販売いたします。また、音声ガイドを200円(消費税込み)でご利用いただけます。
概要
明治維新後、近代化の進展とともに、天皇を中心とする皇室の情報は様々な形で国民に伝えられました。特に、各地で行われる行幸啓は、多くの国民が皇室を身近に感じる機会になりました。その後も、現在に至るまで、行幸啓は皇室と国民を近づける重要な行事として行われる一方、その内容やスタイルは、時代に合わせて変化していきます。
本展では、天皇陛下の御即位を記念し、近現代の行幸啓の歴史と、皇室と国民の関係について、当館所蔵の公文書や関係機関所蔵資料から御紹介します。
● 会場 : 国立公文書館 東京本館(東京メトロ東西線竹橋駅下車徒歩5分)
【展示構成】
■第1部 近代化と行幸啓
参与大久保利通遷都ノ議ヲ上ル
鳥羽伏見の戦いの直後、新政府の参与大久保利通は天皇の大坂行幸と、それに伴う大坂への遷都を提案します。大坂への遷都は受け入れられなかったものの、慶応4年(1867)3月、大坂への行幸が実現、明治天皇は初めて京都の外の地を訪問されました。その後、江戸は東京と改称され、明治2年(1869)、二度目の行幸を経て、天皇は東京に滞在することとなります。
■第2部 大正大礼と関東大震災
大正大礼記録より 左:宮廷列車(御召列車) 右:御裂地(黄櫨染御袍)
明治45年(1912)7月30日、天皇が崩御し、直ちに皇太子嘉仁親王が践祚しました。大正4年(1915)、天皇は京都へ行幸され、京都御所で即位礼と大嘗祭に臨みました。
大正12年9月1日、関東地方南部を震源とする関東大震災が発生しました。摂政の皇太子裕仁親王は、9月2日に成立した山本権兵衛内閣とともに、対応にあたり、震災から間もない時期に、東京、横浜の被災地へ行啓、被災状況を視察しています。それまでの災害では、被災地に天皇の命を受けた勅使が派遣されていましたので、皇族が直接被災地を見舞われるのは、当時は異例のことでした。
■第3部 戦災と戦後復興
新日本建設ニ関スル詔書
昭和16年(1941)12月、日本はアメリカを中心とする連合国に宣戦を布告し、第二次世界大戦に参戦しました。昭和20年3月、東京大空襲により、東京は下町を中心に大きな被害を受けました。天皇は、富岡八幡宮へ行幸し、被災地を視察しています。
昭和21年1月1日、「新日本建設ニ関スル詔書」が発せられました。詔書では、敗戦後の困難な状況の中でも、天皇は国民とともにあり、その関係は「終始相互ノ信頼ト敬愛」によって結ばれ、「単ナル神話ト伝説」によるものではないことが述べられています。
その後、同年2月から、昭和天皇による戦後巡幸が開始され、昭和29年までに、当時、米軍の施政権下にあった沖縄を除く、すべての都道府県を行幸されました。
■第4部 平成 ―国民とともに―
昭和64年(1989)1月7日、天皇が崩御、皇太子明仁親王が即位され、元号は平成に改元されました。 平成の時代、天皇皇后両陛下は、国民体育大会、全国植樹祭、全国豊かな海づくり大会といった、各地で行われる行事へ精力的にご臨席されました。また、毎年8月の全国戦没者追悼式をはじめ、さきの大戦における戦没者の慰霊のため、海外を含め、各地へ行幸啓が行われました。
平成7年の阪神淡路大震災、同19年の中越沖地震、同23年の東日本大震災など、たびたび起こる災害の際には、常に被災地に心を寄せられ、現地の事情が許し次第、被災地を訪問され、被災者を励ましてこられました。
平成31年4月30日、天皇陛下は御退位され、翌日には上皇となられ、皇太子徳仁親王殿下の御即位とともに、元号は令和と改元されました。天皇陛下は、これまで、上皇陛下が行われてきた御公務を引き継がれるとともに、皇太子時代に行われていた御公務の一部を引き続き行われるなど、新たな時代を迎えています。
【音声ガイド】
皇室関連番組のナレーションに欠かせない元NHKアナウンサーの山根基世さん
落ち着いたわかりやすいナレーションで、近現代における皇室と国民の関わりを、魅力的に解説します。 (貸出料金:200円)
●山根基世プロフィール
1948年 山口県生まれ。1971年 NHKに入局。多数の番組、ニュース、ナレーションを担当。
2005年 女性として初のアナウンス室長。
2007年 NHK退職後は、朗読を手掛かりとして「子どものことば」を
育てることを目的に、地域作りと言葉教育を組み合わせた独自の活動を
続けている。
ラジオ、ナレーションの他、今年で5期目となる朗読指導者養成講座を開講、
2018年からは「声の力を学ぶ連続講座」を主宰。
【オリジナルグッズ】
本展の開催を記念した、オリジナルグッズを発売します。
展示資料をモチーフにした新商品も!
来館の記念に、お勧めいたします。
特別展記念講演会(参加無料)
近現代の皇室について、知識を深めることのできる記念講演会。
講師は、近代日本政治史をご専門とされている御厨貴氏と、『昭和天皇』などのご著書で知られる古川隆久氏。
改元・即位礼という時代の節目に、必聴! 参加費無料。
●日時:令和元年10月26日(土) 13:30~15:40
●場所:日経ホール(東京都千代田区大手町1-3-7 日経ビル3F)
●定員:600名 ※要事前申込、先着順、定員になり次第締切
申込方法
メール本文に①代表者氏名 ②参加人数 ③電話番号、【件名】に「記念講演会参加希望」とご記入のうえ、 gyoko@eastcrew.com までお送りください。
なお1通のメールで5名まで申込可能です。
※お送りいただいた個人情報は、記念講演会の受付のみに使用いたします。
申込受付期間
令和元年9月10日(火)〜10月23日(水)
結果通知
お申込みから7日以内に、結果をメールで送付いたします。
お問合せ
記念講演会に関するお問合せ:特別記念講演会事務局
TEL:03-3485-8572
※受付時間:午前10時~午後6時(土日祝を除く)
【開催概要】
■展示会名:令和元年秋の特別展 天皇陛下御即位記念 「行幸 ―近現代の皇室と国民―」
■会 場:独立行政法人国立公文書館 東京本館(東京都千代田区北の丸公園3-2)
■会 期:令和元年10月5日(土)~11月10日(日)※会期中無休、入場無料
■開館時間:9:45~17:30(入場17:00まで)※木・金は20:00まで(入場19:30まで)
■主 催:独立行政法人国立公文書館
■後 援:内閣府
■監 修:羽毛田信吾 昭和館館長 古川隆久 日本大学教授
参考
行幸啓の様子を下記リンク記事にてご覧いただけます。
ZIPANG-3 TOKIO 2020「~ 大伴家持の足跡を『越の国』に辿る ~大伴家持により創建された『放生津八幡宮』(3)」
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
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