ZIPANG-3 TOKIO 2020 御即位記念 第71回正倉院展 速報「本日、奈良国立博物館にて開幕!」

はじめに 記事をお届けするに当たり、このたび関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号による被害は特に大雨による水害で亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。


即位礼正殿の儀の天皇陛下のおことば(令和元年10月22日)

さきに,日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに「即位礼正殿の儀」を行い,即位を内外に宣明いたします。

上皇陛下が三十年以上にわたる御在位の間,常に国民の幸せと世界の平和を願われ,いかなる時も国民と苦楽を共にされながら,その御心(みこころ)を御自身のお姿でお示しになってきたことに,改めて深く思いを致し,ここに,国民の幸せと世界の平和を常に願い,国民に寄り添いながら,憲法にのっとり,日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。

国民の叡智(えいち)とたゆみない努力によって,我が国が一層の発展を遂げ,国際社会の友好と平和,人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。


Addresses by His Majesty the Emperor (October 22, 2019) 

Having previously succeeded to the Imperial Throne in accordance with the Constitution of Japan and the Special Measures Law on the Imperial House Law, I now perform the Ceremony of Enthronement at the Seiden State Hall and proclaim my enthronement to those at home and abroad.

I deeply reflect anew that for more than 30 years on the Throne, His Majesty the Emperor Emeritus constantly prayed for the happiness of the people and world peace, always sharing in the joys and sorrows of the people, and showing compassion through his own bearing. I pledge hereby that I shall act according to the Constitution and fulfill my responsibility as the symbol of the State and of the unity of the people of Japan, while always wishing for the happiness of the people and the peace of the world, turning my thoughts to the people and standing by them. 

I sincerely hope that our country, through our people’s wisdom and unceasing efforts, achieves further development and contributes to the friendship and peace of the international community and the welfare and prosperity of humankind.



金銀平文琴(金銀飾りの琴)1張

ポスターの被写体左右は、唐からの渡来品弦楽器。
全長114.5㎝ 額の幅16.0㎝ 尾の幅13.0㎝ 


琴は古代中国で成立した絃楽器 。7絃で琴柱(きんじ)を用いず、左手で絃を押さえ、右手で弾いていました。我が国には上代にもたらされたとみられ、法隆寺献納宝物中に中国・唐の開元12年(724)銘の七絃琴(国宝。東京国立博物館蔵)が伝わっています。


本体は桐材製、臨岳(絃を受け、裏面に通す7孔のある突出部)及び 龍尾(奏者からみて左端の部分)は紫檀材製。本体の表面に黒漆を塗り、文様の形に切った金銀の薄板を表面に貼り付け、漆で塗り込めた後に文様部分を研出して現す平文の技法で全体に装飾が施されています。


表は中央に金平文で波文を表し、両側に銀平文で鳥や虫、草花を配し、金平文の遊楽人物を並べています。奏者からみて奥には、13箇の徽(き・絃の押さえどころ)を金平文で表し、上手には花菱文で方形に区切った中に、金平文で、樹下で阮咸 (げんかん) を弾く高士(こうし) 、琴を弾く高士、角坏で酒を飲む高士を三角に配し、山岳や岩、飛仙(ひせん) 、孔雀などの鳥や草花を表しています。方形の下手には、金銀平文で樹下に琴を弾く高士と飲酒する高士を対置させ、臨岳の上下には銀平文で山岳、飛仙、鳥、雲などが附置されています。


裏面は全て銀平文で、軫池(しんち・絃留めを収めるための横長の窪み)の上下に山岳、鳥、雲を配し、方形の区画内に4行の琴の音色を讃たたえる四言八句の詩文(後漢・李尤作〔『芸文類聚』巻第44・楽部・琴所収〕)を記しています。


下手は、龍池(中央の響孔)の上下に草花、左右に龍を置き、鳳沼(ほうしょう・尾部側の響孔)の上下にも草花、左右に鳳凰を配し、この他に磯(長側面)にも獅子、鹿、鳳凰、花鳥が表され、側面頭部には鳳凰、尾部には麒麟を主とする文様が表されています。


概(ね)全面にわたって、毛彫を施した金銀平文で瑞獣や瑞鳥、遊楽に興じる高士(こうし)を配しており、非常に装飾性豊かであります。なお、本品は、弘仁5年(814)に出蔵された『国家珍宝帳』記載の「銀平文琴」に替わって、弘仁8(817)に代納された品で、鳳沼部分内部の墨書より、唐の開元23年(735)に製作されたと推定されています。他の北倉(ほくそう)の宝物とは由来を異にするものの、盛唐期の高度な工芸技術を伝える第一級の文物としてよく知られているのでした。


奈良国立博物館とは

奈良国立博物館は、明治28年(1895)の開館以来、南都諸社寺の御協力により、 仏教美術を中心とした文化財の収集・保管・調査研究や教育普及活動を行い、神と仏が融合した我が国の仏教文化のもつ優れた芸術性やその背景にある歴史について紹介しております。さらに、こうした当館の特色を基盤に、様々な文化財と奈良のもつ歴史・文化的景観の有機的な連携を念頭に、新たな奈良文化の発信の拠点として、国際化や情報化への一層の充実に努め、広く国民が親しめるる博物館を目指しています。


本日、御即位記念「第71回 正倉院展」奈良国立博物館において開幕しました。


御即位記念 第71回正倉院展

本年の正倉院展は、北倉14件、中倉8件、南倉17件、聖語蔵2件の41件の宝物が出陳されています。そのうちの4件は初出陳です。正倉院宝物の全体像がうかがわれる構成となっており、天皇陛下の御即位を記念し、正倉院宝物の成り立ちと伝来に関わる宝物や、宝庫を代表する宝物が顔を揃えることが特筆です。


聖武天皇・光明皇后ゆかりの品を伝える北倉からは、『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』の筆頭に掲げられた「御袈裟合玖領」のうち七條刺納樹皮色袈裟(しちじょうしのうじゅひしょくのけさ)が出陳しています。聖武天皇の仏教への帰依(きえ)を象徴するような品で、東大寺大仏への宝物献納(けんのう)に込められた光明皇后の強い思いがうかがわれます。また、天武天皇以来、聖武天皇を経て孝謙天皇に至るまで、6代にわたって相承されてきた赤漆文欟木御厨子(せきしつぶんかんぼくのおんずし)には、聖武天皇・光明皇后の大切な品が納められていました。今回は本厨子とともに、ここに納められていた遺愛品として、紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)・緑牙撥鏤尺(りょくげばちるのしゃく)が出陳されています。


さらに、光明皇后の父・藤原不比等(ふじわらのふひと)(659~720)の真跡(しんせき)が表された屏風(びょうぶ)を献納した際の目録である天平宝字二年十月一日献物帳(てんぴょうほうじにねんじゅうがつついたちけんもつちょう) 藤原公真跡屏風帳(ふじわらこうしんせきびょうぶちょう)も、屏風自体は伝わらないものの、正倉院宝物の成り立ちを知る上で極めて重要な品といえます。このほか、聖武天皇らが着用したとされ、後世、天皇即位時の礼服(らいふく)・礼冠(らいかん)を調進する際に、しばしば参考に供された冠の一部を伝える礼服御冠残欠(らいふくおんかんむりざんけつ)が、御即位を記念する今回の展観に出陳されているのも大変意義深く思われます。


一方、本年は、紅牙撥鏤尺、金銀平文琴(きんぎんひょうもんきん)、金銀花盤(きんぎんのかばん)といった、中国・唐代の高度な工芸技術を伝える宝物や、目にも鮮やかな粉地彩絵八角几(ふんじさいえのはっかくき)など、平城京に花開いた華やかな天平文化を伝える品々が出陳され、展示室を彩っています。


また、ペルシアで流行した樹下人物図の系譜に連なる鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)や、アフガニスタンが主産地であるラピスラズリを用いた紺玉帯残欠(こんぎょくのおびざんけつ)などの宝物からは、シルクロードを通じてもたらされた異国の文化が感じられます。


このほか、荘厳(しょうごん)を極めた仏具の好例として知られる紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえごうろ)、紺玉帯残欠を納めるにふさわしい一際(ひときわ)華やかな螺鈿箱(らでんのはこ)、聖武天皇の足下を飾った衲御礼履(のうのごらいり)など、宝庫を代表する宝物が豪華に揃う様は、あたかも新時代の幕開けを 言祝ぐ(ことほぐ)ようです。 

七條刺納樹皮色袈裟(刺縫いの袈裟) 1領


螺鈿箱(紺玉帯の箱 ) 1合


紫檀金鈿柄香炉 (柄付きの香炉) 1柄



会 期 令和元年10月26日(土)~11月14日(木) 全20日

会 場 奈良国立博物館 東新館・西新館 休館日 会期中無休

開館時間 午前9時~午後6時 ※金曜日、土曜日、日曜日、祝日(10月26日・27日、11月1日・2日・3日・4日・8日・9日・10日)は午後8時まで ※入館は閉館の30分前まで


注意事項

セキュリティ対策強化及び混雑緩和のため、45cm×35cm×20cmよりも大きな荷物は持ち込みを制限します。ご来場前に他所でお預けいただくか、博物館に設置される無料のコインロッカー・手荷物預かり所(運営時間8:00~18:00、開館延長日は20:00まで)をご利用ください。


また、例年、展示室内は混雑いたします。基準以下のお荷物も積極的にコインロッカー等にお預けいただき、身軽に正倉院展をお楽しみください。 なお、お客様の安全のため、キャリーバッグは大きさに関わらず持ち込み禁止とさせていただきますので、ご協力をお願いいたします。


また、混雑した展示室内では他のお客様の視界を遮る可能性があるため、帽子は脱いでいただきますようお願いいたします。


御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」同時開催
現在、東京国立博物館において開催されています。



鎹八咫烏記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(敬称略)

宮内庁 〒100-8111 東京都千代田区千代田1-1 電話:03-3213-1111(代表)

奈良国立博物館 〒630-8213 奈良市登大路町50番地 TEL:ハローダイヤル 050-5542-8600



※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。

ZIPANG-3 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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