はじめに 記事をお届けするに当たり、先の北海道における地震災害、関西地方ならびに中国四国・九州地方における大雨・地震災害で未だ行方不明、並びに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
古くから日本の美意識の中で大切にしてきた「光と影」「水と風」を現代的に表現
日本の伝統建築に通じる“光と影”によって生まれる繊細で大胆な空間
ドバイ万博会場全体
2020年ドバイ国際博覧会開幕500日前にあたり、日本館の展示や建築に係る最新情報や、会期前に国内で開催する日本館主催のイベント情報などを逐次公開いたします。
2020年ドバイ国際博覧会 日本館基本コンセプト
日本館出展の前提
ドバイ国際博覧会は、登録博として中東及びアフリカ地域で初となる国際博覧会である。メインテーマは“Connecting Minds, Creating the Future”(心をつなぎ、未来をつくる)であり、より良い世界を構築するためには、協力やパートナーシップが持つ力が重要であることを表現している。
日本館では、①国際社会における発信力向上、②産業の振興、③インバウンドの増加、④万博のレガシーの継承と創出、⑤次世代を担う人材の活躍を目指す。
“Connect”をキーワードに、日本独自の精神性、技術、文化等を素材とし、日本の力が切り拓く未来社会の可能性を、明確なビジョンとともに国際社会に対して発信していきたい。
日本館出展のビジョン
日本は未来に向け、地球的な視野で、技術、人やアイデアの出会いを生み、それらを融合せることで、より良い世界へ向けたアクションを生み出していく。
日本は課題先進国であり、すでに数多くの解決策も生み出している。その知見を踏まえ、世界に向けて問いを立て、そこに共感を生み、日本がイニシアティブをとって解決へ導いていく。
これからの世界にとって重要となるのは、出会い、共感し、そして動き出すこと。地球交差点としての日本が創り出す幸せな融和と革新。この日本館ではその体験そのものを生み出していく。
ごあいさつ
中村 富安
Tomiyasu Nakamura
2020年ドバイ国際博覧会
陳列区域日本政府代表
2020年10月20日から翌2021年の4月10日までの173日間、アラブ首長国連邦(U.A.E.)のドバイにて、「2020年ドバイ国際博覧会」が開催されます。この博覧会は、2021年のU.A.E.建国50周年を機に、中東・アフリカ地域では初めて開催される大型の登録博覧会です。
ドバイ国際博覧会のテーマは「Connecting Minds, Creating the Future(心をつなぎ、未来を創る)」です。
このテーマのもと、日本館は世界に向けて何を伝えられるでしょうか。
日本は地球的な視野で、未来に向けて技術や人やアイデアの出会いをつくり、それらを融合させることで、より良い世界へ向けたアクションを生み出していきます。
また、日本は課題先進国であり、すでに多くの解決策を生み出しています。その知見を踏まえ、世界に向けて問いを立て、そこに共感を生み、日本がイニシアティブをとって解決に貢献していきます。
日本館では、この出会い、共感、アクションを実際に体験して頂きます。来場者の皆さま一人一人にとって、未来に向けての世界の課題解決や融和に、少しでもヒントとなれば幸甚です。
ぜひ、日本館にお越しください。
お待ちしています。
日本館のロゴ・シンボルマーク
人々が手を取り合ってつくる柔らかな日本の形
大きさも形も様々な四隅の三角は、人々が両手を広げる姿を表し、その手が繋がることで円を形作っている。それは、人種や年齢、性別を越えて、様々な人々が手を取り合い、共感することでできる新しい日本の形。柔らかな丸は、多様化が進む未来の日本にもフィットするような柔軟性と、そのためにそれぞれが想を練り、合わさることで生まれるアイデア、または膨らませた想像を表現している。このシンボルが、ひとつの大きな目的のために人々が集まった証となることを願う。
デザイナー
増田 豊
Yutaka Masuda
株式会社サン・アド
アートディレクター、グラフィックデザイナー
1984年東京生まれ。東洋美術学校卒業後、広告制作会社を経て、2010年にサン・アドに入社。広告やカタログ、パッケージ、企業のVIなどグラフィック全域のデザインにたずさわる。
日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員。最近の仕事に、Panasonic 「KUKAN BORN」ロゴ、山梨県立美術館 開館40周年記念マーク、紀文食品 新聞広告など。
デザイナーコメント
このような国際的なイベントにおいて、我々の世代へ門戸を開き、チャンスをくださったことに感謝申し上げます。いつかは日本を代表するような仕事に関わりたいと夢みていました。人々が集い、交差し、未来を描く。このシンボルマークがその目印のような存在になれると信じています。この度、デザインを採用していただけたことは、今後へのさらなる期待でもあると受け止め、これからの未来にデザインで貢献できるよう、邁進していきたいと思います。
日本館の建築
⽇本の伝統的な⽂様を使った幾何学格⼦
伝統的な「⿇の葉⽂様」の幾何学⽂様はアラベスクに通ずる。シルクロードを介して両国の⽂化・歴史の「繋がり=交差」のあったことを象徴する。⾒る⾓度や光の当たりかたにより、様々な表情を⽣む変化する建築。
幾何学格⼦と折り紙形状の膜が作り出す3次元の現代障⼦
⽇本建築における障⼦の障⼦紙、折形礼法から発祥した折紙。それらを想起させる薄い⽪膜が⽇除けとなって内部空間を包み込み、来場者をお迎えする。
⽇本と中東の伝統的な環境システムを応⽤
両国の伝統建築に⽤いられている⽔と⾵のシステムを利⽤。前⾯に⽔盤を設け、気化熱を利⽤すると共に⽴体格⼦を写し込む⽔鏡の役割を持つ。建築全体を環境装置としたサスティナブルな建築。
建築設計
永山 祐子
Yuko Nagayama
永山祐子建築設計主宰
1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。1998〜2002年 青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。主な仕事、「LOUIS VUITTON 京都大丸店」、「丘のある家」、「ANTEPRIMA」、「カヤバ珈琲」、「SISII」、「木屋旅館」、「豊島横尾館」、「渋谷西武AB館5F」小淵沢のホール「女神の森セントラルガーデン」など。
2005年ロレアル賞奨励賞色と科学と芸術賞 奨励賞「Kaleidoscope Real」、2005年JCDデザイン賞奨励賞「ルイ・ヴィトン京都大丸」、2006年AR Awards(UK)優秀賞「丘のあるいえ」、2007年ベスト デビュタント賞(MFU)建築部門受賞、2012年ARCHITECTURAL RECORD Award, Design Vanguard2012、2014年JIA新人賞「豊島横尾館」、2017年山梨県建築文化賞「女神の森セントラルガーデン」など。
設計者コメント
万博のテーマCONNECTから中東と日本の“文化的”な繋がり、“技術的”な繋がり、特にこの2つの繋がりから建築のテーマを考えていった。文化的な繋がりについては中東の幾何学文様と日本の幾何学文様が似通っている所から発展させ、構造体と環境的フィルターとなる新しい幾何学立体格子としてファサードに表現している。技術的な繋がりについては昔から中東で活かされている水技術から水を積極的に取り入れることを考えている。さらにこの先、中東との新しい人と人との繋がりがこの場を通してうまれることを願っている。
展示体験の流れ
【Join】
来場者は「身分や立場を超えて、皆平等にもてなす」という日本古来の茶の湯の精神を体現した小空間に入る。博覧会に集う、国籍、年齢、趣味嗜好など異なるバックグラウンドを持つ人々が、ここで出会い、交流の一歩を踏み出す。
【Sync】
来場者は広い空間を自由に探索しながら、世界が抱える様々な課題を五感で体験し、解決へ向けた知恵を探し出す。(来場者は、日本の技術のみならず、美しい伝統、文化、芸術などにも触れる。)
【Act】
来場者は一堂に会し、国籍や立場は違えども、同じ課題認識を持つ者同士が手を取り合って動き出す可能性を感じる。そして、人、アイデア、技術が融合した先にある美しい世界を共有体験する。(「水」「風」「光」などの日本らしい自然をモチーフに、最新テクノロジーを駆使した没入感ある演出空間に包まれる。)
参考
ドバイ万博について
ドバイ万博は、中東及びアフリカ地域では登録博として初めての開催となる国際博覧会です。U.A.E.建国 50 周年を前に、2020 年 U.A.E.のドバイにおいて開催されます。
名称 :2020 年ドバイ国際博覧会
会期 : 2020 年 10 月 20 日〜2021 年 4 月 10 日(173 日間)
開催地: U.A.E. (アラブ首長国連邦)ドバイ
テーマ:「Connecting Minds, Creating the Future(心をつなぎ、未来を創る)」
サブテーマ:(1) Mobility (2) Opportunity (3) Sustainability
会場面積 :438ha
出展者数 :192 ヵ国が参加表明済み
想定入場者:約 2,500 万人(見込み)
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
協力(敬称略)
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
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