はじめに 記事をお届けするに当たり、今夏、関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号と、続く21号の記録的な大雨で、千葉や栃木、福島など5県の34河川で浸水被害や土砂災害により亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
また、このたび我が国の世界遺産である沖縄のシンボル首里城の正殿等主要部分の全焼被害が続き、国民として深く哀悼の意を捧げつつ…
御船山楽園の秋。見事な紅葉です
御船山楽園の春。萩野尾御茶屋に山桜がよく似合う
御船山楽園の新緑。萩野尾御茶屋縁側で一服…如何ですか~世俗を離れ、和の美ならではの 侘び寂びのときを暫しご堪能下さい。
御船山楽園回廊の先には・・・
御船山楽園湯屋の創造空間
アート集団チームラボによる創造作品 かみさまがすまう灯りの空間
アート集団チームラボによる、御船山楽園(九州・武雄温泉)にて開催中の昼間の展覧会「チームラボ かみさまがすまう森の廃墟と遺跡 - THE NATURE OF TIME」は、11月4日(月・祝)にて終了予定だった会期を、好評につき12月8日(日)まで延長することに決定いたしました。11月8日(金)から12月8日(日)まで御船山楽園で行われる「紅葉まつり」と併せて開催されます。会期延長分のチケットは、会場でのみ販売されます。
造園以前からある樹齢300年の大楠。
異なる時空が交差する場
1845年(江戸後期)に50万平米にも及ぶ敷地に創られた御船山楽園。
敷地の境界線上には、日本有数の巨木である樹齢3000年以上の神木の大楠があり、庭園の中心には樹齢300年の大楠があります。そのことからわかるように、古来より大事にされてきた森の一部を、森の木々を生かしながら造った庭園であることが想像できるのです。庭園と自然の森との境界は曖昧で、回遊していく中でいつのまにか森に入り込んだり、けもの道に出くわしたり・・・
超自然的に積み重なった巨石の磐座(いわくら)であろう祠(ほこら)が祀られています。
森の中には五百羅漢が安置されている。入口付近の様子
御船山楽園名僧行基が御船山に入山し、釈尊像三体をはじめ、羅漢像五百体を彫り洞窟に安置
森の中には、超自然的に積み重なった巨石の磐座(いわくら:日本に古くからある自然崇拝(アニミズム)の一種)であったであろう祠がまつられています。7世紀頃、日本独特の山岳宗教を創始した役の行者小角(えんのぎょうじゃおづぬ)が、屏風岩(びょうぶいわ)全面に彫ったとされている高さ23mの巨大な不動尊像が、御船山の岩壁にありまた、後に奈良の大仏をつくる名僧行基が、約1300年前に御船山に入山し造園以前からある樹齢300年の大楠。を彫ったとされており、森の中の洞窟の岩壁には、行基が直接彫ったと伝えられる仏が今も残っています。森の境界には、塚崎城石門という城跡などもあり、森や森の境界には、様々な遺跡が残っています。
我々は、長い長い時の境界のない生命の連続性の上に危うく奇跡的に存在。しかし、日常では、なかなかそれを知覚することが難しい。人間は、自分の人生より長い時間を認知できないのだろうか・・・。時間の連続性に対して認知の境界があるのかな~。
庭園の中の廃墟の湯屋
樹齢3000年以上の木が存在する森は、全く知覚できないほどのゆっくりとした時間の流れで日々変化、そして、それを毎年繰り返しながら、果てしない長い時間が積みあがった空間ができたのです。森や森の境界に点在する様々な時代の遺跡や、江戸時代に作られ今なお続く庭園は、また、それぞれ異なった時空を持つ。そして、庭園の中の廃墟の湯屋は、近代につくられたものが、わずかに時代が変わったことで使われなくなった、まるで時間が止まったような時空です。
様々な時空を持つ御船山楽園にある廃墟の中で、それらとはまた時空が異なる存在の作品群が創られて共存することで、時間の連続性に対する認知の境界を超えて、様々な時空が交差し重なり合ってこれまで見たこともない不思議な世界へと誘われてゆくのです。
異なる時空の塊(メガリス)が、廃墟の湯屋に群立する。廃墟の湯屋の周辺の森は、樹齢3000年の木が存在する森で、全く知覚できないほどのゆっくりとした時間が流れ…
グランドセイコー 協賛にこめた想い
グランドセイコーは、『THE NATURE OF TIME』をコンセプトに、日本人ならではの“時との向き合い方”を世界に発信する高級時計ブランドとしてグローバル市場で活動を行っております。このたび、その活動の一環として世界のアートシーンを牽引するチームラボの「永遠に連続する時間」をアートで表現するコンセプトに共感し当プロジェクトを応援するはこびとなりました。
御船山楽園遠景
御船山楽園アクセス地図
お問合せ「御船山楽園」〒843-0022 佐賀県武雄市武雄町武雄4100. TEL 0954-23-3131
どうぞご参考に!ご来場お待ちいたしております。
参考
世界の樹木
クスノキ(樟、楠)
クスノキ科ニッケイ属。常緑高木。
一般的にクスノキに使われる「楠」という字は本来、中国のタブノキを指す字です。
台湾、中国、ベトナムといった暖地に生息し、それらの地域から日本に入り、本州西部の太平洋側、四国、九州に広く見られますが、特に九州に多く、生息域は内陸部にまで広がっています。
幹周囲10メートル以上の巨樹になるのも珍しくなく、単木ではこんもりとした横広がりで、丸みのある樹形となります。木肌は綿密で、耐湿・耐久性に優れていて、葉はつやがあり、革質で、先の尖った楕円形で長さ5-10センチ程です。
4月末から5月上旬にかけて落葉し、5-6月にかけて、白く淡い黄緑色の小さな花が咲き、10-11月から直径7-8mm程度の青緑色で球形の果実が紫黒色に熟し、各部全体から樟脳の香りがします。樟脳とはすなわちクスノキの枝葉を蒸留して得られる無色透明の固体のことで、防虫剤や医薬品等に使用されています。
また、防虫効果があり、巨材が得られるという長所から家具や飛鳥時代の仏像にも使われ、古来から船の材料としても重宝されており、古代の西日本では丸木舟の材料として使われ、大阪湾沿岸からは、クスノキの大木を数本分連結し、舷側板を取り付けた古墳時代の舟が何艘も出土しています。その様は、古事記の「仁徳記」に登場するクスノキ製の快速船「枯野」の逸話からもうかがうことができ、室町から江戸時代にかけて、軍船の材料にもなっています。
近年では、クスノキの葉は厚みがあり、葉をつける密度が非常に高いため、交通騒音低減のために街路樹として活用されることも多い。
木材は散孔材で心材は黄褐色、紅褐色、肌目はやや粗く、木理は交走することが多く、玉杢などが現れるものがあります。材はやや軽軟から中庸、耐朽性が高い。 建築では内装材、また社寺建築、建具、家具、器具、 楽器、彫刻、木象嵌その他に用いられています。
葉や幹、根などを蒸し、出て来る蒸気を冷やし(蒸留)、 固形にしたものは防虫剤やセルロイド、フィルムなどの材料になり、東南アジアでは古くからつくられていましたが、日本では、意外にも歴史は浅く、江戸時代半ばからつくり始められ、明治時代には最盛期となり、何と合成樟脳やプラスチックが出廻った戦後にはもう衰退の道をたどり始めました。
しかし、セルロイドがもてはやされていた明治から昭和のはじめ頃には、何と世界一の生産量となったこともあったほどで、その頃の日本の発展に樟脳、しいてはクスノキが重要な役割を果たしたといえます。
鹿児島県の「蒲生のクス」は有名で、目通り周囲約24m高さ30m。推定樹令850年。このようにクスノキは、成長がさかんで、 さらにさらに長命なので、古くから神社や寺院に植えられ、巨樹、名木になっています。
因みに日本書紀によると、木の適材適所はスサノオノミコトにより「舟材にしなさい」と宣われたとか・・・さらに杉は舟材に、檜は建築材に、高野槙(槙)は棺材にとのことです。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
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